Work Trousers - Blue Gray

着用への憧憬、これは無視できない動機のひとつだったのだと思います。
エプロンやワークキャップが欲しくて作ったシャトル織機の壱等雲斎。
これでワークトラウザースを仕立てていく計画を目論んでいます。

勘の良い方はお気づきかも知れませんが、このダルな色合いのブルー、濃淡の差はあれどスティールサッシュにぼくがよく使う色を想起させるとか。
ぼくとしてはこの色がどこから来たのかハッキリしています。フォルクスワーゲンのシングルピック、商用トラックの色、ダヴブルーですね。でも身の回りをよく見てみると、他にも見つけることができました。三角スケール1/30のところ、ステッドラーのメカニカルペンシル…それとアランドロンとジャンギャバンの映画 Deux Hommes Dans La Ville。カッとくる性質の主人公が身を滅ぼしてしまうという…音楽がまた良いんだけど…物語の中盤でお世話になる印刷工場で主人公ジーノが着るんですよ、マジメに働く男になったんだという象徴としてワークコートを。
プロレタリアといえば、この色、なんでしょうね。

そして目論見と言いましたが、ひとつひとつ、アトリエでハンドスティッチにて仕上げます。
プロレタリアなのにオートクチュールなの？不思議ですね。

9月から翌年5月まで、約200日間ほぼ毎日、ぼく西條が着用した着心地について、少し書きます。
コレを書いている今も実は履いていますが、履き始めは、盛夏がひと段落して30°cを超える日か過ぎた頃。8月のお盆から毎日製材をして、その材料で家具を作り始めたときでしたね。

結構なハードワーク。立ったりしゃがんだり、アトリエと現場との両方で、毎日毎日大汗かいて製作に励んでいたときです。
大きな扇風機がフル回転で、左団扇というのはどういう状況を指すんだろうか…そんな嘆きも含めて膝をついたりクルマを運転したり、ブルーカラーとして働く姿勢の全てを共にしました。紅松を毎日触っていたので、このパンツにも紅松のヤニの良い匂いが染み込んでいました。

洗濯したのは約4回。
200日を経て、少しフェイドしてきているのがわかります。膝からポケットの辺りまで褪せてきました。
白い生地での以前のものより、これは少しライトオンスなので着用感は軽快です。
お薦めです。

• ブルーグレイのトラウザースは、全工程をアトリエ内で製作しています。
• 素材はしなやかで張りのある質感の雲斎織を使用しています。シャトル織機でゆっくりと高密度に織られた雲斎織は足袋裏などに使われ、抜群の丈夫さがあります。オリジナル色のブルーグレーは硫化染めとバイオウオッシュ加工を施しています。経年による色落ちや風合いの変化が楽しめます。
• 股上が深く、腰から下は太めで真っすぐ、ゆったりとしたシルエットです。しゃがんだり、脚を上げたりする動作が快適に行えます。
• フロントはジップフライです。デッドストックの42TALONを使用しています。
• ウエストのボタンは植物油脂が原料のバイオナイロン製です。ボタンホールは一点一点ハンドステッチで仕上げています。
• 家庭用洗濯機で洗うことができます。脱水後はシワを伸ばしてしっかり干してください。ひどい汚れの場合はブラシで手洗いすることをおすすめします。

Work trousers(ideas)

Work trousers(サイズ比較)

Work trousers 履いてみました

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