BANK ROBBER
バンクロバーは作り始めて15年経ちました。初期のモデルはご覧の様にハンドルが細めで、すぐに切れちゃうんじゃないのなんて言われたり。これまでに修理を受付けていて、縫製が解れた・ジッパーが壊れた、は総計10件くらい。ハンドルが切れた事態は起きていません。なぜなのか?そんな事が起きないように作っているからですが笑、マジメぶっちゃうと、ぼくの仕事の世界には破断荷重という各種データに基づいた安全を確保するための技術基盤がありまして(どこの世界でもありますよね) 例えば大規模なビル等の建設現場には必ずあるクレーン、その荷揚げの技術を玉掛けと言いますが、ミスが起きてはならない箇所で運用されている数的指針に基づいて、ぼくもこれらのバッグを設計しています。JIS規格では革の引裂強度を0.6mm厚で約2.4kgf/mmとしています。そこに基づいたバンクロバーの設計強度は約85kgの破断荷重になります。銀行強盗用と謳うのならそれくらいは欲しいところですが、日常の使用には1/6の14kg程度がMAX荷重だと想定して頂きたい。牛乳14本なんて、まぁ入るけど美的にやめて欲しいですけれど、皆さんが持てると思う範囲の重さは大丈夫だということです。
COAL BAG
それに対して、なぜコールバッグはショートハンドルなのか。これは玉掛けのワイヤーロープの張力を引用しますが、バンクロバーは肩の大きさに基づいて荷重方向が垂直ですから1倍なのに対して、ショートハンドルは掴むだけですから90°から120°として張力が最大2倍です。何が言いたいのかというと、肩掛けハンドルのものに対して扱いやすくなるということです。片手で大きいものを運ぶ場合、曲がる時など進行方向に沿うカタチで運びたい。手首の微妙な操作で対向者に当たらない様にかわしたい。ヒュッと。人混みの中、大きなモノを運ばなくてはならない方々、破断荷重は1200kgfですから、チカラ自慢の諸兄には是非一度試して頂きたいものです。
HEAD HONCHO
新仕様のHEAD HONCHOは、バッグ本体のバランスを再構築し、ショルダーストラップが標準付属となりました。本体との連結部分には、キャンバス製ショルダーストラップ用のループが取り付けられていますが、これがなかなかの優れもの。D管などの金具と違って見た目がスッキリし、また金具同士が触れることで発生するカチャカチャという音がでないようになっています。細かい部分ですが重要なディテールのひとつです。
HEAD HONCHO – Olive Drab
HEAD HONCHOの新仕様品が出来ました。今回のアップデートは主に使い勝手の向上を目指したもので、原型となったアビエイターバッグの個性と、私たちが求めた機能がバランスよく両立できていると思います。ちなみに今回のアップデートでも変更しなかったのは、底面のテープの縫い始めと縫い終わりの仕様。サープラス品ならではの合理性によって生まれるディテールは通常の量産品にはない面白さがあり、レアジェムが大切にしたいと思う視点が垣間見える部分でもあります。ぜひ底面にもご注目ください。
Left: Cone denim White oak.Right: Japanese traditional cotton twill. Called 一等雲斎.Mainly it used for Tabi socks.
C MINER - Linen Canvas
キャップ作りました。約1年のサンプル試用からフィードバックしての製品化です。どのようなフィールドワークを重ねてのものかというと、そもそもこういうの被らないと汗が目に入ってくるんですよね。完全に労働者視点です。メガネかけるようになってわかったのは、耳に鉛筆挟めないってこと。熱いモノを触る時のグローブ替わりにもしたいし、サンダーの鉄粉浴びて穴が開いても嫌なのでコットンじゃないと。ブリムは長すぎても危ないので短め、この上からヘルメット被れるのもいいですね。仕事で鉛筆使うタイプの人、技術系のメカニックさんとかエンジニアにはオススメです。
BANKROBBER – Black
天気の良くない日が続き、革のバッグの出番が少なくなる時期はぜひお手入れを。ブラシを使い、表面や細かな隙間に溜まった埃や汚れを掻き出してあげると、カビや雑菌の繁殖を抑えるのに有効です。特にパイピングやハンドルの付け根部分、ライニングなどは念入りに。ブラシは馬毛などの柔らかめなものがおすすめです。下の写真のスタッフ私物のバンクロバーは、3年ほど毎日のように使っていたそう。クロム鞣しのグレインレザーは雨染みが目立ちにくく丈夫なので、案外ラフに使っても大丈夫。普段使いにぜひ。